お薬Q&A

お薬Q&A

Q1.粉薬の上手な飲ませ方は?

A.粉薬を嫌がる乳幼児への上手な飲ませ方の工夫について、一般的と思われる方法を示しますので参考にしてください。
1.少量の水を加え、練ってペースト状にし、口の中の頬の内側や上あごに塗りつけ、水、湯ざましなどを飲ませます。舌先は苦味を強く感じるので避けましょう。
2.くすりの味を隠すため、赤ちゃんが好む飲食物の少量に混ぜて一緒に飲ませます。
3.冷たいと味覚が鈍るため、アイスクリームやシャーベットなどに包み込むようにして飲ませます。
4.服用を補助するゼリー状のオブラートに薬を包んで飲ませます。
<飲食物に混ぜて飲ませる時の注意点>
・ミルクやおかゆなど主食に混ぜることは避けてください。くすりの味のせいで主食が嫌いになっては困るからです。
・酸性度の強い飲食物(オレンジジュース、スポーツドリンク、乳酸菌飲料、ヨーグルトなど)に混ぜるとかえって苦味が出たり、効果が弱くなる薬があるので、注意が必要です。
・くすりを飲食物に混ぜたまま長時間放置すると苦味が増したり、変質したりすることがありますので、飲ませる直前に混ぜてください。
・1歳未満の赤ちゃんに飲ませる時は、はちみつに混ぜないでください。はちみつには乳児ボツリヌス症の原因となる菌が含まれている可能性があるからです。

Q2.水剤(シロップ剤)の上手な飲ませ方は?

A.1回分をスプーンやスポイトを使って、少しずつ子どもの舌の奥や頬の内側に流し込みます。
甘すぎて飲まない場合は、1回分を水で薄めても構いません。服用直後にジュースやミルクで口直しするとよいでしょう。ほ乳瓶の乳首や小さな器で飲ませる方法もよいです。

Q3.服用は食後でないとだめ?

A.乳幼児の薬の場合、食事の後に薬を飲ませると、おなかいっぱいで薬を飲まないことがあり、また飲んだとしても薬と一緒に食事まで吐いてしまうことがあります。乳幼児の薬は、胃腸障害が出るほど強いわけではありませんので食事にこだわらず、時間になったら飲ませてください。飲める時が服用のタイミングくらいの感覚でいいと思います。
<ちなみに>
一般的に、1日3回のお薬は4~6時間、1日2回のお薬は8時間程度間隔があけば、次を飲んでも構いません。

Q4.薬を飲んだあとに吐いたらどうすればよい?

A.服用後30分以内で、胃腸がおちついているのであれば、すぐ服用しても大丈夫です。
薬は服用後、胃で溶けて、小腸で吸収されます。食べたり、飲んだりしたものが小腸にたどり着くまで、30分程度かかるとされているためです。

Q5.解熱剤の座薬を入れたあとにウンチをしてしまったらどうすればよい?

A.
・入れた直後、座薬がそのまま出てきてしまった場合はすぐに次を入れてください。
・挿入後、数分~10分以内の場合は、30分~1時間程度様子をみて、熱が下がらないようであれば再挿入してください。
・挿入後15分以上経っていれば、大部分は吸収されているとみていいので、再挿入の必要はないです。
・挿入後どれぐらいでウンチをしたのか分からない場合は、ウンチの中に固形状の座薬が見えなければ、成分の一部が吸収されていると考えられるので、すぐにもう1回入れてしまうと成分量が多くなってしまう可能性があります。1時間くらい様子をみて、効果がないようならもう一度入れましょう。

Q6.薬はどれぐらいもつの?保管方法は?

A.
・粉薬:基本的に1ヶ月は大丈夫ですが、変色したり、振ってサラサラしない時は服用しないほうが賢明です。高温や湿気を避け、日の当たらない場所で室温保存。乾燥剤入りの缶や密閉容器に入れて保管してください。
・水薬:水薬はカビや細菌に汚染されやすく、変質しやすいので、原則、処方された日数を有効期限の目安として冷蔵庫で保管してください。子ども用のシロップなどは冷蔵庫に入れても2週間以上経ったものは捨てましょう。(原液で長期投薬されたシロップについては該当しません。)
座薬:1年ぐらいは大丈夫ですが、年齢・体重によって使う量も変わってくるため、使う前に医師または薬剤師に確認してください。冷蔵庫で保管してください。

Q7.妊娠前、妊娠中に薬を飲んでも大丈夫?

A.妊娠前に飲んでいた薬が、その後の妊娠や胎児に影響することはまずありません。ほとんどの薬は1~2日で体から排泄され、体に残ることがないからです。ただし、一部の薬については、体に長く影響するものもありますので、注意が必要です。

・妊娠超初期(0週~3週)の薬の影響は・・・

この時期に飲んだ薬は心配ありません。

・妊娠初期(4週~15週)の薬の影響は・・・

もっとも薬の影響を受けやすい時期です。この間に、赤ちゃんの体形や大事な臓器が作られるためです。
また、一部の薬の服用により奇形の発現率が少し高まるおそれがあります。催奇形性の危険度の高い薬は、事前に医師から妊娠しないように注意されるものです。もちろん、市販されていません。いずれにしても、妊娠中の薬の服用は、市販薬もふくめ医師の指示をあおぐようにしてください。

・妊娠中期(16週~27週)の薬の影響は・・・

妊娠中期は、比較的安全な時期です。赤ちゃんの体や臓器の基本的な形はできあがっています。

・妊娠後期(28週~40週)の薬の影響は・・・

後期になると、薬が赤ちゃんに移り、直接的な作用を受けやすくなります。この時、薬がもたらす悪い作用のことを「胎児毒性」といいます。その代表的な例が鎮痛薬です。鎮痛薬には血管を収縮させる作用があり、新生児肺高血圧症の要因となるおそれがあります。赤ちゃんの腎臓にもよくありませんし、分娩・出産の遅延をまねくこともあります。1、2回頓服する程度でしたら、それほど心配いりませんが、強力な鎮痛薬の長期連用は避けなければなりません。その他、妊娠末期の安定剤や睡眠薬の連用は、生まれてくる赤ちゃんの筋力や呼吸を弱らせ元気をなくしてしまうおそれがあります。

Q8.妊娠中に便秘薬を飲んでも大丈夫?

A.妊娠中に飲まないほうがいい便秘薬の成分があります。漢方の成分で「センナ」「大黄」などの成分が入った便秘薬です。「センナ」「大黄」は、腸を強制的に動かす作用があり子宮収縮を起こす作用があると言われています。
これらの成分が入った便秘薬(下剤)は飲まないようにしてください。
体への負担が比較的少なく、赤ちゃんにも影響の少ない便秘薬の成分として「酸化マグネシウム」や「ピコスルファートナトリウム」があり、これらを使った便秘薬・下剤は、妊娠中でも服用することができます。
また、酸化マグネシウムは昔から産婦人科で処方されており、安全性が高いものです。胃粘膜の保護作用もあるので、便秘とともに胃の調子がよくない人によく処方されます。
腸管からは吸収されず、腎臓の機能が正常であれば、血液中のマグネシウム濃度への影響もほとんどありません。大量に投与しすぎると、子宮収縮が促される可能性がありますが、通常の使用量であれば、妊婦さんでも安全に使用することができます。
ピコスルファートナトリウムは胃や小腸では吸収されず、大腸だけで作用するうえ、ほとんどが便として排出されるため、胎児への影響はほぼないと考えられています。液体タイプもあって自分で飲む量を調節できますが、飲み過ぎると下痢になってしまうことがあるので、用法・用量はしっかりと守ってください。
いずれにしても、自己判断での使用は控え、便秘薬を服用したい時は、きちんとかかりつけの産婦人科医に相談してからにしてください。

Q9.妊娠中、葉酸のサプリメントは必要?

A.葉酸は体の細胞を作る時に欠かせないビタミンの一種で、「赤ちゃんのためのビタミン」とも呼ばれています。
胎児の先天異常(神経管閉鎖障害)、二分脊椎を防ぐ働きがあることが分かっています。早い段階から摂取することで、先天異常のリスクは軽減できるとされています。
一番必要な時期が、赤ちゃんの神経がつくられる、妊娠2週~6週で、体内の必要量に達する期間が飲み始めてから4~6週程かかるので、妊娠を希望される方は、事前に継続して摂取することをおすすめします。
また妊娠中に胎盤がはがれるトラブルの「常位胎盤早期剥離」や、子宮内の胎児の発育が遅れてしまう「胎児発育不全」も葉酸の不足が原因のひとつであると考えられています。
このようなリスクを避けるためにも、葉酸を摂取することをおすすめします。